ポカラから見たマチャプチャレ、アンナプルナ




バスその壱


       それはネパールのポカラと言う街からダンプスと言うハイキングスポットま
で行く時に乗ったバスでした。インドで結構ボロボロのバスに乗ってきた僕
は、もうどんなに縦揺れしようが、片輪が畑に突っ込んで走ろうが驚かなく
なっていました。しかしこのバスとの出会いはなかなかでした。


街の人に聞いてバス停と思われる所に行ったが、そこはのどかな広場のよう
でした。野球場ぐらいの広さで隅の方に一台ボロボロのバスが捨ててありました

地元の子供がワイワイ楽しそうに遊んでいました。待ってもなかなか
バスがこないので「本当にバス停なのかな」と思い始めました。そこで遊ん
でいる子供にバスはいつ来るの?と聞くと「あれ」と指をさすので、その方
行を見ると捨ててあると思っていたバスでした。

半信半疑でバスに近寄って行くと確かに人が乗っている。これは動くのか?
と疑問に思えるぐらいボロボロです。そのバスの写真がこれです。



       
              ネパールのバス


見たまんまを言うと、まずフロントグリルがなくラジエーターが剥き出しで
フロントガラスは大きく割れてテープで止めてあります。窓はあるとことないと
こがありあってもやっぱり割れている・・・ドアはもちろん?なく入り口の
階段もぶっ壊れている。そしてなぜか最初から右に傾いている
しかし中に入ってからもっと驚きました。その写真がこれです。



     
           バスの中の写真


中に入ると「・・・!?」なんだこれは!?って感じでイスがあるけど座る
所がなく骨組みだけだったり、背もたれから大きくバネと思しき物体が飛び
出ているので座っても背をもたれかけられない。イスがベコベコに壊れてい
たりするのは当たり前。その壊れ方が気合いが入って壊れているのです。

この写真を見てなんだか分からない人もいると思いますが、これはイスの背も
たれを後ろから写したところ
です。なんでこんな所がこんな風に壊れるのか
今もって謎なのですが、ふとバス内を見渡して見ると中がなぜか黒焦げなの
である。このコンガリとした焦げ具合とこの破壊のされようは、ハリウッド
映画でアクションに使われたか、テロにあったかどちらかだろう。

まかり間違っても映画に使われることはないので、テロ?普通ならそんなことは考え
ないが、もし乗っているネパール人が「テロだよ」と言ったら絶対納得して
しまう
だろうと思ってしまうのでした。このバスに乗っていくと思うとこれ
は絶対何か面白いことがおきそうだとワクワクしながら発車を待つのでした。


実際に走り出すとその加速の遅さは風速30mの逆風中を人間が走っている
のと同じくらいでした。またブレーキは効いたり効かなかったりでバス停で
待っている人のかなり手前で止まったり行きすぎたり・・・ 

走行中いきなりバコッとかガッコーンとか謎の音がするのも愛嬌でしょう。
運転手を見る限り変速している時に音が鳴っている訳ではなさそうなので、
結局降りるまで、何の音なのか分かりませんでした。


バスその弐


      
それは、ポカラからカトマンズに行くバスの中での出来事。このバスは壱の
バスと違い観光客を相手にしているバスらしく、ネパールにしてはとても奇麗でした。
ポカラからカトマンズまで8時間ほど。これは快適な時間が過ごせそうだ
と思った僕が甘かったのです。出発してから10分ほどして前のおっちゃんが

おっちゃん:「リクライニングを倒していい?」

と聞くので

ぼく:「いいよ」

と答えました。これが過酷な8時間への号砲となってしまいました。

その訳を下の絵に描いて見ました。


      


説明すると、

    @では何て事はないバス内の風景だったのですが、
     おっちゃんがイスを倒した瞬間、バコンと音がしました。

    A次の瞬間おっちゃんの顔が僕の顔の前にあり
     二人は何ともいえない空気の中しばしガンをくれあったのでした。
     リクライニングが壊れたのであります。
     最初は気まずそうな顔をしていたおっちゃんでした
     がその内当たり前のように寝だしたのでむかついてきたので

    B足で前のイスを持ち上げてやりました。するとおっちゃんは
     イスが直ったと勘違いして容赦なく全体重をかけてきたのです。

    Cそれならと僕は足を全開に伸ばしました、するとイスがまた壊れ
     倒れるはずのない前のほうにも倒れたのです。

 こうした無益且無意味な攻防を8時間も続けた末に僕は全身の筋肉が固まり、
 かなりの疲労感を覚え次の日、案の定、筋肉痛に悩まされたのでした。

 このような場合意地を張らずに寝てしまうのが一番だと思ったのは、
 2日後の早朝、モモ裏がつった時でした。   


爽快だったんです。の○そ


       これは全くもって恥ずかしい話なのですがうんぴーに関するお話しです。
そもそも私が何年かぶりに腹を壊してしまったのは1週間ほど前にガンジス川
で沐浴をしてからでありました。インドの水、食事は私の腹の敵ではありません
でした。しかしガンジスなる聖なる川(ドブ)は・・・・

あの川で沐浴して4日後、急激に腹がいたくなりゲ○ピーになった時、僕は
ネパールに居ました。その下りップリといったら富士急ハイランドのジェット
コースター・HUJIYAMAなんてものじゃありません。

とにかく5分おきぐらいにピークがやってきて勝手に出てきてしまうのです。
だからやばいと思ったらすぐにシゲミに入りプリッとするのです。
最初は、恥じらいがあったものの慣れて来るともう爽快そのもの。
しまいには、そこらにトイレがあるにも関らずの○そしまくってました。

ちなみに私の友人は移動中のバスの中で、もよおし、バスを止めてのぐ○した
のですが砂漠地帯のために遮るものがなく乗客にまる見えでした。
しかし、本人いわく「他人に見られるのもなかなか・・」



雄大で 爽快な 初日の出




ダンプスからのマチャプチャレ


これは、上述のバスに乗ってやって来たダンプスという
丘に2時間程かけて登った時とった写真です。2時間か
けて登り切った瞬間今迄全く姿を見せなかったヒマラヤの
山々が目の前に大パノラマとして現れたのです。言葉では
表せない感動に襲われました。日本で暮らしている分には
7,000m級の山を前にすることは絶対あり得ないことなので
それが現れた時は、ほんとに感動しちゃいました。途中のぐ
そしまくって登ったことなんて忘れて一同交わす言葉もなく
この感動にひたっていました。


初日の出を浴びて輝くヒマラヤ連峰


1997の初日の出

 僕が見た中で最高の初日の出でした。東の空から陽が
登りはじめてきた時、まだ太陽は見えないのですが標高
の高い山は陽を浴びて真っ赤に燃え上がるように輝きだ
すのです。空も最初は青いのですが下のほうから赤くな
ってきて、その中間色で東の空が七色の虹のようにみえ
るのです。平らな虹の大地が見渡す限り広がり、まるで
丹波哲郎の大霊界にでも来たかのようでした。

賢くて役に立つ犬


      
       
         先導中の犬

これは、上に書いたダンプスと言う
感動的な初日の出を見た場所での話です。

ここは、ふもとから2時間ぐらい登った山(丘)の頂上にある村落です。

ちゃんと村があるのですが、よくもこんなに山の上に作ったなーと、思える
ぐらいの所でした。そこに行くまでに、僕たちはインドで出会った人たちと
5人で行ったのですが、皆ナメナメでサンダルだったり、毛布しか持って
いなかったり、はら下していたり、とても山に登る感じではありません。

道も途中何回か迷いそうになったりしながら登っていったのでした。

そして元旦を迎え、日の出の後、
僕は宿の中庭に迷いこんできた犬と一時間ばかり戯れていました。

ちなみにこの宿は一泊40円でした。(20NRs)
インドの犬と違い、色つやもよく人懐っこい犬でした。
途中からもう一匹迷いこんできて一緒に戯れていました。

昼過ぎに僕たちは山を降りることにしました。

するとさっきまで遊んでた犬が僕たちの前を
まるで先導するかのように歩きだしたのです。
後ろを振り返りながら「こっちだよー」と言うように。
途中僕たちが休むと彼ら(犬)も一緒に休みをとっていました。

後から来た、犬は途中一時間ぐらいで帰ってしまいましたが、
最初に遊んでた方の犬は、ふもとまでずーっと道案内をしてくれた
ので僕たちは迷うことなく帰ることが出来たのでした。

本当に賢くて役に立つ犬でした。

ふもとで別れる時チョット目頭が熱くなってしまいました。


謎の日本語?看板



 この看板は、ポカラと言う街のお土産屋さんで撮ったものです。
へんてこな文字が書いてあったので(一番下に)
「これは何をかいているの?」

と聞くと

「あんた日本人なら読めるでしょ!」

って怒られたので多分日本語を書いたもののようなのです
が僕には「ます」しか読めなかったです。
解読出来た方、是非教えて下さい。




ネパール的飛行機事情

        
これは、ネパールのカトマンズからインドのカルカッタに飛行機で移動した時の話です。
まず、空港に行き飛行機を待っていました。2時間くらい前について飛行機を待ってい
ました。空港にはモニターがあり、そこに飛行機の時間とチェックインしているかなどが
表示されています
。当たり前ですが日本の飛行場と同じく上のほうに表示されている方が
早くに飛ぶ飛行機です。さて2時間ダラダラと過ごし、モニターには次に僕たちの乗る
飛行機が一番上に来てさあチェックインだ!と思った瞬間!!

             空港全部が停電したのです。

何やら、管制塔まで停電したようでした。オイオイこんなのでいいのか!?と思いました。
そして、空港で一番最初に電気が回復したのが免税店でした。しかも他の所より5分ぐらい
早く回復したので、薄暗い空港でコウコウと光る免税店が浮き彫りになっていました。
そして、空港全体の電力が回復した時、僕は信じられない光景を見たのです。それは

さっきまで一番上に表示されていた僕らの飛行機が何故か一番下に表示されているのです。

これは、何かの間違いだろうと思いましたが、残念ながら事実でした。と言う訳で
わけもわからず、空港で待ちぼうけをすることになったのでした。今度こそは明るいうちに
インドに着けると思っていたのですが、その期待もむなしく、またインドに着くのは真っ暗
になったからでした。

さてさて、順序がちょっとズレましたがやっと飛行機に乗る時が来ました。
待ちに待った瞬間です。
バスに乗って飛行機が駐機してある所に向かったのですが、どこを見回しても僕らの乗る
ロイヤルネパール航空が見当たりません。しかしそんなことは構わず、バスは止まり僕らは
降ろされたのです。目の前にはユーゴスラビア・エアーと書いてある飛行機があります。
すると、周りの皆は何事もなかったかのようにそのユーゴスラビア・エアーに乗り込ん
で行くのです。これはどうやら

ユーゴスラビア航空の中古機を払い下げてもらって使っているようです。
しかもお金がなくてネパール航空とペイントできないのです


まわりを見渡すと、他にも中国南西航空とか色々各国の飛行機が止まっていましたが、
それは全てロイヤル・ネパール航空のモノだそうです。さて機内に入りまた驚いたのが
このユーゴスラビア航空のお古の機内には、「いらっしゃいませ」とかトイレには「使用中」
とか、「シートベルトしめろ」のサインなどが日本語で書かれているのです。

これはどうやら、日本の航空会社のお古をユーゴ航空が買って、そのお古をネパール航空が
買った
という、大変地球にやさしい、無駄を省いた、資源の無駄使いをしないというか
とにかく、地球にやさしく、心臓には悪い飛行機でした。


バーバー・ネパール

             
 これは、ネパールで髪をきった時のお話しです。その時僕のかみは、5ヶ月くらい
切っていなかったので、かなり伸び放題でした。そんな訳でインドで髪を切ろうと
思っていたのですが、前のおっさんが剃ってもらっている時に頬に赤いモノが流れ
て行く
のを見てしまい、これは危険だと思いきるのを辞退しました。その後ネパー
ルに入りもういいかげん耐えられなくなってきたので、そこらの床屋に入りました。

そして、「どんな髪型にする?」というので説明するのも面倒臭いし、どんな風に
したいというのもなかったので「君に任せた」と言いました。この発言が後で友達
の爆笑をかうことになりました。さて、インドの床屋でひげ剃り中の流血を見たの
でなんとなく怖くなったので、「ヒゲは剃らなくていい」と言いました。

さて、彼は慣れたてつきでシャキシャキ僕の髪の毛を切っていきます。しかしこの
床屋には鏡がなかったので、自分ではどのような髪型になっているのか分からない
のです。そして15分後。「終わったよ」と言われて僕は店を後にしました。
この時の散髪代は、70NRsでした。日本円で140円です。
これでも最初言われた値段の1/3にしたのでこの時は、
       まあ妥当な線だろうと思っていたのです。
さて宿に帰り、友達に「ただいま」といってドアを明けた瞬間!!
彼が僕の顔を見るなり大爆笑をしだしたのです。

急いで顔を見ようと彼の前を通りトイレの鏡の所にいった瞬間、彼は
僕の後ろ姿をみて、さっきより強力な爆笑をしたのです。

まだ鏡を見ていない僕には事態がさっぱりわかりません。
         変な髪型というのは予想できますが・・・。

さて、いざ鏡を見ると思いっきり7:3分けになっています。
そして横を向いた瞬間僕が見たものは、なんと長くて邪魔だった後ろ髪はしっかりと
そろえただけで残っている
のです。これをみて友達は爆笑していたのでした。
なにせ、7:3だけでも変なのに、後ろを見せたらロンゲとまではいきませんが、
後ろ髪が長いのです。これには、僕もなんと自分の感情を表していいかわかりませ
んでした。笑いたいような、悲しいような・・・

更に、次の日毎朝通っていたパン屋があったので(結構そこの、あんちゃんと仲良く
なっていた)髪を切ったことを報告しに行くと、彼も、まず僕の7:3に爆笑し、
後ろ髪に爆笑し、更に散髪代がネパール人の10倍くらい取られていると爆笑し、
さらには、床屋が僕にこの髪型のことを「トラディショナル・ネパーリー・カット」
<伝統的ネパール人の髪型>
と言ったことに対しても爆笑して、4段階で笑わされた
彼の腹筋は相当躍動していて、笑い死にそうになっていました。余談ですがこのあん
ちゃんベイスターズの佐々木に似てました。もう一人三宅裕司にそっくりさんもいました。

               



初めてのお使いならぬ、初めての店番


        これは、ネパールのポカラという町からダンプスというところに初日の出
を見に行った時のお話しです。このダンプスという所は標高2000mぐら
いで、目の前に雄大なヒマラヤ山系が立ち並んでいる丘のようなところで、
上に書いてある”バスその壱”のバスに乗ってそこまで行きました。

 この時、僕らは寝袋なるものは持っていなかったので、ポカラの街中の店
で寝袋をレンタルしていったのです。その時に寝袋のデポジット(保証)と
して、IDカードを要求されたので、どーでも良い国際学生証を預けて、寝
袋のデポジットにしました。そして預ける時に、

「これは、とても重要なカードなので絶対無くさないでくれ。」

と店のおっちゃんに念をおして置きました。

 さて、ダンプスで最高の初日の出を見て、ポカラに帰ってきました。そし
て、この店に寝袋を返しにいきました。そして寝袋を返して、国際学生証を
返してもらおうとすると、

「とても大事なカードって言ってたから、家に保管してあるから取って来る
 ので、その間店番をしておいてくれ。座ってるだけでいいから。」


と言われました。そして、人の良いおっちゃんは、僕のどーでもよい学生証
をとりに家に帰ってしまったのです。残された僕は、することがなかったの
で店の中に入り、更にカウンターの中に入り、店員の振りをしていました。

 すると、来るわ来るわ。お客が。

しかし、私は店の商品の値段なんて一切知らないので最初のうちは
外人:「これいくら?」
僕 :「いや、店員じゃないんで、他行ってくれ!」

なんて対応してたのですが、あまりに客が来るのでおもしろ半分に交渉して
みようと思ったら↓こんな感じになってしまいました。

外人:「これいくら?」
僕 :「それは、250ルピーだよ。」

外人:「200ルピーにしてくれ。」
僕 :「うーん230」

外人:「よし、220でどうだ!」
僕 :「いいだろう。じゃあ220ルピーで。」

外人:「さんきゅー。さんきゅー。ところで、お前はチベット人か?」
僕 :「そうだ。」

外人:「だと思った。顔つきがネパール人とちょっと違うと思ったんだよなー
    俺ってアジアいっぱい廻ってっから顔で何人かわかるんだよ。」


僕 :「すごいね。」
外人:「まーな。じゃーな。がんばれよ!」

 はじめての店番です。やりました。勝手に売ってしまいました。しかし
まさかあの陽気な外人もジャパニーズが店番やってるとは思わなかったの
でしょう。確かに僕は、インドでもインド人に出稼ぎネパール人に間違えられて
雇われそうになっていましたし、ましてや外人には分からないでしょう。

 そうこうしている内に、おっちゃんが帰ってきました。そして、僕の学生
証を返してくれました。その時に、おっちゃんに事の成り行きを説明して
210ルピー渡したら、もう大感謝されちゃいました。うーん自分が楽しむ
ために、適当に遊んでおいて、さらに10ルピーくすねておいてこんだけ
感謝されるとは、こっちが恐縮してしまいます。
こーゆー最低野郎のことをまさに ↓ と呼ぶのでしょう。

                 偽善者

                目指せ一日一偽善。