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エジプト編 冷静と饒舌の間
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はいこんにちはー。

今回はエジプトです。エジプトといえば砂漠、ピラミッドなどが有名ですが
実は、海が綺麗なことでも有名です。シナイ半島の東側には世界三大透明度と
も言われる紅海が広がっています。

僕は、ヨルダンからフェリーで入国して、紅海の海岸町ダハブに泊まってい
ました。このダハブは世界有数のダイビングスポットとして有名で、各国から
ダイバーが集まってきています。僕は、この日、ダイビングを満喫しまくって
晩飯をがっつり食べまくって、腹いっぱいでホテルへ戻ろうとしていました。

すると街中のテレビ全てがサッカーを映しています。話を聞くと、ワール
ドカップ・アフリカ大陸予選のエジプト対アルジェリアをやっているとの
こと。ふと見ると、とある食堂内のテレビに男共が約40人がかじりついて応援
していました。「こいつは面白そうだ。一緒に見よう!」と思ったのですが、
男共の熱気と殺気にたじろいでしまい、後ろの方で見ていました。サッカーも
面白いのですが、見ている男共の一喜一憂があまりに面白くて、彼らの応援風
景をパチっと一枚撮りました。

時は夕刻、フラッシュが光ります。

すると、男共のほとんどが振り返りました。その瞬間、エジプトが失点!!
ほとんどの連中がその瞬間、僕を見ていたので失点シーン見逃しています…。
すると何処からともなく「おまえのせいだ!!」「おまが写真とったからだっ」
と非難の嵐がゴーゴーと吹きすさびます。そして「おまえが応援してなんとか
しろ」と真剣に迫られ、熱気と殺気で恐ろしいと思っていた集団の中心に引き
ずりこまれ無理やりエジプトの応援をさせられることに…。このまま負けたら
何をされるかわかりません。僕は必死にエジプトを応援しました。するとエジ
プトがゴール!!そして立て続けにゴール!一同大喜びです。

てなわけで結局4-2で大勝利を収め、僕はすっかり「おまえのおかげだ!!」と
皆から崇められて、その食堂で食い放題状態になったのでした。しかし、飯を
たらふく食った後だったので、はっきりいってここでの食わされ放題は“食い
地獄”です。しかし彼らの好意を裏切るわけにはいかず、まさにワールド
カップ予選なみに、厳しい“食い極道”の試練を味わったのでした。

心の中ではエジプトが勝とうが負けようがどっちでも良くて、「早くホテル
に戻って寝たい」と冷静に思いつつも、エジプトを真剣に応援したように振舞
う舞うために饒舌に喋りつづけ、『冷静と饒舌の間』で宴は延々と朝まで続い
ていくのでした…。


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