現在一般の日本人が北朝鮮に入国するには、中国からのツアーとかに参加する
しかないと思います。しかし、もっとお手軽に北朝鮮に入る(入国ではない)方法
があります。北朝鮮といっても休戦地帯であり、しかも7mぐらいしか入れないのですが・・・

 その方法は韓国から休戦地帯(板門店)ツアーに参加することです。

中国からの場合、7日ぐらいかかってお金もかかりしかも面白くないと言う
話を聞きました。しかし韓国からの場合日帰りでお金も4000円ぐらいで
一応北朝鮮に入れます。僕も一応ネタ作りにこの韓国からのツアーに参加しました。

その時の様子を書いてみます。まず前日までにツアーに申し込んでおきます。そして
当日集合しバスで一路38度線[休戦ライン]に向かいます。途中何やら記念碑
見たいのを見せられましたが何も覚えていません。さらに北上すると民間人統制区域
に入ります。ここから先は一般の韓国人は入れないのです。もちろん外人もこのツアー
の参加者のみです。さらに進むと検問所がありここで全員の身元を調べます。しかし
ナアナアになっていてこのツアーは信頼されているので身元照会はしなくて良いと
言われました。そして板門店につながる唯一本の橋をゆっくりと渡ります。

ここら辺では一切の写真撮影が禁止になっていました。この端の下は漢江?とか言う川が流れて
いるのですがこの川は北から南に流れているのでたまに北朝鮮から韓国の悪口が書かれた
ビラが流れてきたり、流れに任せてスパイが侵入を試みて来るそうです。なんか生々
しかったです。ここを過ぎてしばらくすると国連軍司令部前方基地にたどり着きます。
ここからは、護衛の国連軍兵士が同乗して来るのです。この際も身元照会があります。
この時はしっかりやってました。次に基地内で講習を受けます。朝鮮戦争の背景や現状
などです。しかしこの時部屋を暗くしてスライドなどを見せるので僕は爆睡しちゃいました。

その後誓約書を書かされます。

「この先何が起きても韓国は一切責任をとりません。」と言う紙にサインします。
通称「命放棄書」と言うらしいです。そして国連のゲストバッチをもらいます。
これを胸に付けます。これを取ったら撃たれても文句言えませんと言われました。
そして、基地内で兵士と同じご飯を食べます。バイキング方式でいろいろメニュー
がありました。韓国らしくキムチももちろんありました。僕はこの時記念に何かもって
帰りたいなーと思いました。飯は不味くも美味くもないと言った感じでした。
食後気付くと僕のポケットには、なぜかスプーンが入っていました。これはいい記念に
なると思ったので、貰ってしまうことにしました。

 昼食中凄かったのがこの食堂を仕切っているおばちゃんです。プロレスのリングから今で
てきたみたいなメイクに体格、ゴリラをホウフツとさせる歩き方。自在に操る日本語でビシバシ
日本人を叱り飛ばしていました。北が長距離弾道ミサイル「テポドン」を使うのなら南は
このおばちゃんを北に潜入させれば対抗できるかもしれないと思わせるぐらい強かったのです。

昼御飯の後、人の流れに沿って歩いていると、なんとお土産屋があるのです。こんな国連
軍の基地でしかも休戦地帯でお土産を売るとは人間どこまでも商魂たくましい・・・
中を除くと「板門店」と書いたライターとかタイピンとか普通のお土産が売っていました。
しかし、僕にはお金がないしこれからタイも行くので荷物を増やしたくなかったので
何も買えませんでした。しかし、スプーンのほかに何か板門店と書いてある何かが欲しいと
思っていました。店を出て気付くと、僕のポケットには何故かお土産を入れるビニール袋
(板門店と書いてある)が5,6枚入っていたので、これはいい記念になると思ったので
貰ってしまうことにしました。

さて、この後またバスにのり、いよいよ板門店(38度線)に向かいます。この基地は板門店
から5キロくらい手前にあるのです。板門店に向かうあいだ、両脇は地雷がいっぱい埋まっている
地雷畑でした。有刺鉄線や戦車が突っ込んできた時に堰き止める櫓などがありました。
やがて、板門店に着きました。さてこの板門店の中で唯一北側に入れるのが
軍事停戦委員会本会議場というよく南北代表者会談が開かれる建物です。この建物
のまん中で南と北に分かれていて会議をする机のちょうど半分のところにあるマイクの
コードが国境を表しているといっていました。
だから絶対にコードは動かさないように!
と言われました。このコードを越えると北朝鮮です。コードから建物の北側の壁まで7m
ぐらいあるので一応はじまで行って見ました。北側と南側両方に入り口があり、いつ北側
から兵士が突入して来るか分からないと言うことで建物の中に南側の兵士が警備しています。

国境を股にかけて記念撮影(右半身が北側)


この人たちは非常に厳しい訓練を受けているエリートらしいです。しかし、この人たち
の警備が変わっていて、ピタッと止まったまま全く動かないのです。目はサングラスを
かけているのでマバタキしているか分からないし、近寄っても呼吸しているかどうかも
分からないぐらいでした。まさにろう人形のようです。この兵士達だけでも一見の価値あり
と思います。さてみんなやることなのですが、マイクのコードをまたいで南北両方にいる
気持ちを味わいながら記念撮影をしました。この時机の上のコードをいじると何を言われるのか
分からないので机の下に垂れているコードを足で右に左に動かし勝手に国境を変えるという

我ながら

小心者ップリをおおいに発揮した

下らない一件でありました。

今回はツアーで少し北朝鮮?を覗いた訳ですが、僕は色々な所で南北のいがみ合いを
ヒシヒシと感じました。同じ民族なのに何故お互いを牽制しあい憎みあうのでしょうか。
一刻も早く、この様な物々しい国境でなくなり、朝鮮半島に本当の平和が戻ってきて
同じ民族同士で争わなくなることを祈ってやまない野人でした。
とてもいい勉強になった日帰りツアーだったと思います。