意味のない予定表と日本一の計画倒れ男


      この予定表を持っていた人にはじめて出会ったのは、タイはバンコク
のカオサンロードでした。この人は下に書いてある、そりゃまた違うっしょ
の登場人物と一緒に歩いていて僕にであったのです。

なんと彼も無謀なことに、シンガポールin香港OUTを一ヶ月で乗り切ろうという
私と全く同じルートをとる無謀者でした。しかし彼は僕より6日くらい早くに
日本を出ているのに、もう僕に追い付かれているのです。そんな僕でさえ
大急ぎで次を急がねば!と思っているのに、彼は大丈夫なのでしょうか?
心配です。しかしこの時点では別に彼のおもしろさには気付いていませんでした。

そして次に彼に会ったのは、アンコールワットの中でした。朝、日の出を見てい
ると太陽より熱い視線が右前方から僕に注がれています。 彼です。

そんな彼はよほどマメな性格をしていると見えて、旅の初日から最終日まで
予定表をパソコンでびっちり書いているのです。ちょっと見させてもらいました。

それには移動手段からその時刻表そしてどのガイドブックの何ページに載って
いたか、何処の街では何が美味しいとか物凄く詳しく書いてあるのです。

みると、そんなに詳しく調べてあるのにも関わらず、いきなり初日から全く
予定表にそぐわない行動をとっているのです。またビザのことに関して全く
考えていなかった為に、バンコクではカンボジアのカンボジアとベトナムのビザ
をとるために1週間くらい足留めをくらっているのです。

カンボジアのビザは飛行機で行けば空港でとれるのに、知らなかったようです。
またプノンペンからホーチミンまでは車で簡単に行けることも知らずに飛行機の
チケットをとってしまったらしいのです。

そして、このアンコールワットであっている日の彼の予定を見るとどうやら彼は
ベトナムのビーチで日光浴をしているようです。
しかし、実際の彼はカンボジアのアンコールワットで僕に日光以上の熱い視線を注いで
いるのです。まったくこんな予定表さっさと捨ててしまえば良いようなものですが
それでも彼はこのこだわりようのない予定表にこだわっています。

さて、僕は彼より一足先にベトナムへ入国しました。そして南のホーチミンから
中部の古都フエにより、北の首都ハノイに着きました。そして次の日、またも
彼に再会しました。聞く所によると彼は、ホーチミンからハノイまで列車で2日間
かけてビーチも古都も何もかも飛ばしてやってきたらしいのです。

この間の彼の予定表には、ビーチで日光浴をする。フエで世界文化遺産を堪能する
とありましたが、すべて車内からそれを楽しんできた?ようです。
また、そんな彼の今日の予定は香港で夜景を堪能すると書いてあります。

しかし、彼はまだベトナムのハノイに着いたばかりです。一体なんの役目を果たして
いるのでしょうか?メモってある店もほとんど100%寄っていません。

しかし、そんな彼でもこの無意味と思われる移動のみの列車の旅で、友人を作った
らしいのです。しかし話を聞いてみるとなんともうさん臭い?話です。

列車で向かいの席(ベット:寝台列車だったらしく)の女の子と仲良くなりました。
                ↓
その女の子もハノイまでだったので一緒に列車を降りたあと、彼女にご飯に誘われて
家に行くことになりました。その時彼女を駅まで迎えに来てくれた男の人がいました。
                ↓
彼はこの男の人のバイクに乗り、彼女の家まで行き、昼食をご馳走になりました。
                ↓
その際に、この人に「夜も一緒に飲みに行こう!」と誘われて「OK」をしました。

うーん、これはどうなのでしょう。インドだったら95%の確立で詐欺の手口でしょう。
しかし、ココはベトナムです。ということで何故か僕も彼とそのベトナム人と飲みに
行くことになっていました。
彼が知りあったのはベトナム人女性なのに何故かその夜はベトナム人男性と飲みに行く
ことになっています。 さて、待ち合わせの時間が来ました。

彼の知り合い男性は、もう一人友達を連れてきました。ちょうど?2対2です。
そして、僕と彼はそれぞれベトナム人のバイクに乗り込んで飲み屋まで連れていって
もらいました。ちなみに彼らの名前は、ハンとザンです。

 彼らは、あまり英語がしゃべれませんでしたが、僕らは皆、同じ年生まれなことが
わかり、それも手伝って飲み会は大盛り上がりでした。そして会計の時間が来て
ハンとザンは素晴らしいことに、おごってくれたのです。

値段は14万ドン。約1400円です。4人で腹一杯食って飲んで、この値段です。
しかし彼らにとっては、結構大きな出費なことでしょう。
そう思っていたら、彼が突然、

「2次会は俺が全部おごるぜー!!!!!」

なんて絶叫したもんで、もうハン&ザン大喜び。僕はちょっとやることがあったので
1次会で帰ってきました。その時も彼らは、バイクでホテルまで送ってくれました。

とても優しく、気さくで、気前良く、疑ったりしてごめんなさいって感じでした。
その後、ハン&ザンと彼は、ハノイの夜の街にさっそうと繰り出していきました。

 次の日、朝彼に会ったので
僕:「昨日どうだった?」と聞くと
彼:「いやー最悪だよ。」と答えるのです。聞くと

彼らはカラオケに行ったらしいのですが、そのカラオケというのがおねーちゃんのいる
カラオケで、モミモミなんてことも出来たらしいのです。
ここまで聞いた時点では、何が最悪なのでしょか?って感じです。しかし彼は

彼:「それがさー、会計の時になってサー、2人してさー、俺に払えっていうんだよねー
   それで25万ドン=2500円も払わされちゃったよ。
   彼ら最初から俺の金目当てで、飲みにさそったのかなー?」

なんて言い出すのです。自分で「2次会はおれが全部おごるぜー!」と豪語していたのに。

そのことを彼に言うと
             
                  ザンと計画倒れ男と記念撮影

             
       ご覧の様に完全に目がいっちゃている彼。そりゃ覚えてないでしょう。


彼:「うそっ!?マジっ!?そんなこと言ったっけ俺? なーんだよ。まじかー
   全然覚えてないやー。まぁいいや。今日リベンジしよう。」


と言ってこの日もハンと一緒にサッカー観戦と昼飯をともにして奢ってもらってました。
そんなことばかりしていたので、その日の彼の予定表は、香港から日本帰国前日に
なっていて、「お土産購入」
にも関わらず、彼はまだハノイでブラブラしているのです。

彼の香港ー東京のチケットはオープンチケットだったのでいくらでも変更が可能なのに
日本に帰ってから「友達とスキーに行くかもしれない。」という彼にしては曖昧な
予定の為に、ハノイー香港の飛行機のチケットを$272も出して購入し、しかも
香港では一泊もせずに高速で日本に飛んで帰ったのです。

あんなに綿密かつ詳細な予定表を作り上げておきながら、初日から
暴走に継ぐ暴走を繰り返し、揚げ句の果てには3時間前に大声で「俺が全部おごるぜー!!」
と叫んだ予定も遂行出来ないまさに日本一の計画倒れ男です。最高です。


そりゃまた違うっしょ


      これはカンボジアの「そりゃ違うっしょ」と兄弟的な話です。この話を
中国に入れようか迷ったのですがことの発端はベトナムなのでこっち
にしちゃいました。

 さてさてこれはベトナムの国境越えから香港までご一緒した人の、僕
に言わせれば「そりゃ違うっしょ」話です。彼とはバンコクで会い、ベト
ナムのフエで会い、そしてハノイでもあって最後はお互い香港から帰国の
予定だったので、ハノイから一緒に中国を目指すことにしたのです。

さて、ハノイ→中国では、お金があれば国際寝台列車で快適に寝てる間に
中国に入国できるのですが、財布に余裕のなかった僕と彼はともにローカ
ル3等列車の旅を選択の余地なく選択しました。その電車はハノイを夜の
10時に出発して7時間後の翌朝5時に国境付近の町の駅に着く予定です。

さて電車に乗り込みました。さすが3等です。木の硬いイスがあるだけで
普通に座っているだけでもお尻が痛いのです。これから夜通し7時間どの
ようにしのぐか・・・。かなりキツそうです。

取りあえず横に寝てみましたが頭が通路にはみ出てしまいます。

つぎに丸まってみましたが狭く落ちてしまいます。

頭を逆にして寝てみましたが足が飛び出て現地人に怒られちゃいました。

壁側に上半身を持たれかけてみましたが窓のすき間風が寒くて寝るどころ
の騒ぎじゃありませんでした。


結局頭を通路側にして足を壁側に持ち上げて寝ました。かなり辛い姿勢。

また夜行なので滅茶滅茶寒くて着れるもの全てを着込んでいました。

    

    

やっと寝つけた時ぐらいに、頭上から「ピー!!ひょろぉぉぉ」と可笑しな
音が聞こえて来るのです。一気に目が覚めて音のする方向を見るとそこでは
現地人が水煙草を豪快に吸って居るのです。5人ぐらいでまわし吸いしてい
るのでひっきりなしになりっぱなしです。「ピー!ひょろぉぉぉ」が。

しばらくして、それが、やんでまたやっと寝つけたかなと思った時頭上で、
「ゴロゴロゴロゴロ」と地鳴りがするのです。しかもこれまたひっきりなしに。

なんだよーと思って見ると新しく乗ってきた人が原始時代のお金のようなもの

             

をゴロゴロ転がしてあちこちの席の下にしまっているのです。果たして何に使
うものなのでしょうか?さっぱり分かりません。分かっていることはとにかく
うるさいことだけ。そしてまたなんとか寝つけたかなーと思った時に奴等は
降りる駅に着いたらしく、またゴロゴロと転がしはじめたのです。

「だーぁ!!!うるせーい!!(心の声)」

とにかくそんな状況でしかも車内は激寒でまさに地獄絵図でした。さらには
遅れて欲しい時に遅れてくれないベトナム電車。きっかり朝5時に国境の
駅に着きました。寒いし、暗いし駅から出る気になれません。駅のベンチで
丸まってなんとか寒さをしのぎました。

そして6時をまわって明るくなってから街へと向かいました。バイクタクシー
に乗ろうにも寒過ぎて乗る気になれず、街まで2〜3kmほどあるきました。
そして朝飯を食べて国境に向かいましたが、まだまだ寒いのでバイタクに
乗る気になれず国境まで山道を6kmほど歩きました。

そしてようやく国境を越えて中国に入国できたのです。本当に辛かった移動
でした。そして中国側の街でやっと暖かい一杯のうどんのようなモノにあり
つけたのです。この時食べたこの麺は僕らを体の芯からあっためてくれるだ
けではなく、しんどかった国境越えの辛さを忘れさせてくれるほど美味しか
ったのです。しかもてんこ盛りで45円ぐらい。

そして僕らは国境から一番近い大都会「南寧」に向かいました。この移動の
途中に僕のあいかたの彼は長旅の?ハードな移動の疲れから体調を崩しはじ
めたのです。そして南寧に着いた頃には彼は完全にグロッキー状態でした。
なにも食べられず、風呂すら入れません。そんな彼を心配して僕は

僕:「大丈夫か?やっぱり昨日の夜行列車きつかったよねー。」
というと
彼:「いや、多分さっき食べた麺に入っていたピーナッツにあたった。」
僕:「・・・」(そりゃ違うっしょと心の声)

というのです。どう考えてもピーナッツ(ちゃんと乾燥してある&僕も食べてる)
よりは上に書いたようなハードな夜行列車の移動で体調を崩したと思うのですが
彼は頑としてピーナッツだと言い張るのです。
なんでそーういう風に考えちゃうんですかねー?

ベトナムの車窓から



     これは、ベトナム南部ののホーチミンから中部のフエという町まで列車で旅した
ときの出来事です。ベトナムの列車料金は、外人料金があり現地人の3倍の値段
を払わなくてはなりません。ホーチミンからフエまでは約1000kmあり僕の
乗った一番安いが一番遅い列車では28時間ぐらいかけてタラタラ行きます。

しかし、ベトナムの列車の凄い所は、僕の乗ったイス席(寝台ではない)でもな
んと飛行機の機内食のように、車内食が全員に出るのです。料金に食事代が含ま
れているのです。素晴らしい。28時間の旅を前にシェイクしか口にしなかった
僕にとってはまさに天の恵みでした。そして車内食はこんな感じです。


夕食。どれも激ウマ!


朝食。インスタント麺っぽいのにうまい!


昼食を食するの図

パッと見た目はあまり美味しそうではないのですが、食べてみるとどれを食べても
とても美味しいのです。さすがベトナム。さて28時間の旅なので食事も3回出ま
した。食事を3回もして28時間もいるということは必然的にウンもでるわけです。

そこで僕はウンをしにトイレにいったのです。とどこおりなく用を済ましてさあ流
そうと思って蛇口をひねったのですが!?・・・・・

  「流れない・・・・」「水が出てこない・・・・」

このままでは、いつまでたってもウンは今彼のいる場所に居座り続け次の人に不快
感を与えること間違いなし!!そこで、応急処置としてトイレットぺーパーをウン
にかぶせて、トイレの向かいにある洗面所に行って水をくんでそれで流そうと試み
ようと思いました。しかしもし僕が洗面所に行っている間に次の人が入ろうとしたらナ
ント説明したら良いのだろうなんて思いながら、トイレのドアを開けました。

すると悪い予感大的中!!外には「早く出なさいよ」と言わんばかりの顔をした
おばちゃんがいたのです。そして僕が出てきたので、速効入ろうとするので

   「チョット待ってまだ流れてねーんだ。」

と英語で説明するが案の定通じない。おばさんは俺の気持ちをひとつもくんでくれず、
無理矢理入ろうとするので「あーあー」と思いながらおばちゃんを説得するのを諦めました。
2秒後おばちゃんがトイレから飛び出てきて僕に

「あんた何で流さないのよ!このばかちんがー(予想)」

と大激怒です。「そんなこといわれても僕は止めたのに」と思いつつもしょうがない
「洗面所の水で流そう」と思い洗面所に行って蛇口をひねりました。

   「水が出てこない・・・・・」

この状況をなんておばちゃんに説明すればいいのだろうか・・・
僕は途方に暮れたのでした。

                「あきらめた」

そして僕は最善は尽くしたと思い席に戻ろうとしたら再びおばちゃんの叫び声が!
そしてまた「あんたなんでまだ流してないのよ。(予想)」と怒られました。
そこで、ぼくは泣く泣くミネラルウォーターでウンを流したのです。
そして流れきらなかったウンはミネラルウォーターのペットボトルで押し流した?のでした。
ペットボトルで突いている時は、なんとも

「俺何やってんだろう?」

っていうわびしさを感じずには
いられませんでした。そしてトイレを後にしたのです。

         

   ・・・・2時間後・・・・・



たまたまさっきのおばちゃんと目があったのです。その時彼女は僕が予想もしていな
かった表情をみせたのです。ニコッと僕に優しく微笑みかけたのです。さっきまであ
んなに怒っていたのに・・・。そこで僕はおばちゃんのやさしい微笑みをこう受けとりました。

「私も流せなかったのよ。さっきは怒ってごめんね(もちろん予想)」



野人、初の完敗!?

      この話は香港の話と連動しているので  をクリックしてから読んでください。



旅人達の署名

      旅にでると色々な人と出会います。そして色々話したり一緒に、ご飯を食べたりすると当然
仲良くなります。しかしお互い独自のルートで旅をしているし、日本で住んでいる所もバラバ
ラなので、僕はメモ帳のようなものにいつも署名(名前、住所、電話番号、コメントなど)
書いてもらいます。そして全員は無理ですが写真を焼き増しして送ったり、最近ではメールの
やりとりをしたりしています。

しかし中には、「この人には書いてもらっても絶対に連絡取らないな」という人もいます。
でも書いてもらいたい人を含めて食事をしている時などしか書いてもらうチャンスがない
時はそういう人のもついでなんで書いてもらいます。

さてこの話はその、この人には書いてもらっても・・・という人の署名の話です。その人と出会
ったのはホーチミンの有名安宿街ファングラーオ通りにある、これまた有名カフェ「シンカフェ」
でした。その人は僕が旅先で出会った友達とベトナム人とカフェで話をしているといきなり
通りからカフェに入ってきて横柄な態度で「どことまってんの?安い宿どこよ?」みたいな感じ
で話しかけてきたのです。その場は僕らの泊まっている宿などを教えて済みました。そして彼は
宿を求めて消えて行ったのですが、宿が見つかるとまた戻ってきました。そして僕らの話に加わ
るのですが一方的に自分の自慢話(非常に下らない)をするのです。(しかも横柄)

その内容は、聞いてもいないのに

彼:「俺って有名人なんだよね。」
や:「どんな風に?(一応無視することもできないので)」
彼:「○橋大学のプロレス同好会の副会長でさー学内で超有名〜なんたらかんたら」
や:「・・・(何といっていいか分からない)」
彼:「あと俺パナ○ニックに就職決まっていてさー・・・(真剣に聞いてなかったので詳しい内容
   は忘れた。)英語もできてさーTOEIC810点取っててサー。今度は900点取る自信
   あるんだよねー(TOEIC=英語の世界標準テスト990点満点)」

や:「すごいねー(なんでここまで自分の自慢話を僕にするか分からない)」
とまあこんな感じの一方的な会話が延々と続くのでした。


                 ・・・2時間後・・・


何故か彼を含めて6人で食事をしていた時に、この中の彼を除く4人に署名してもらいたかったので
メモ帳をだしてみんなに書いてもらった。(彼にも)そして後日メモ帳を見るとこんなかんじだった。
コメントのところにはプロレス同好会らしくアントニオ猪木の言葉が書いてありました。



 まず大学名を書いてあるのはヨシとして矢印で就職先を書いてある人は、初めてでした。
その次に最も僕を笑わせてくれたのは、いかにも自分は秀才みたいに言っていた彼が最も
尊敬しているであろうアントニオ猪木「猪」の字を書き間違えて「緒」にしていた所でした。

普通の人が書き間違えたらそこまで笑えなかったと思うのですが、描いた人物が人
物だけに(俗に言う自信家)爆笑してしまいました。そして以後出会う旅人達に必ず彼の話
をしてこの署名を見せて廻りました。皆さん爆笑でした。「なんのたれ兵衛」君、君は今
ごろ超局所的にだが旅人の間で有名人になっているよ。そして、最後に


            おいしいネタを ありがとうー!! ダッー!!!!